今日、歯を失う一番の原因は歯周病だと言われています。さらに日本人は、80歳以上になると4~5本の歯しか残っていない事実を知っていましたか?
歯周病は、歯周病菌による感染症で、生活習慣病のひとつです。30代後半から進行しやすくなり、その一番の原因はプラーク(歯垢)と呼ばれる物質です。歯についた食べかすは、ほんの2、3分から数分で、口腔内細菌が増殖してプラークという細菌の塊に変化します。細菌が産出する酸、毒素や酵素によって歯周組織に炎症をおこし、歯周病となります。
歯周病になると、一体なにが怖いのでしょうか?決して他人事ではない歯周病の本当の脅威についてご説明します。
歯周病は細菌感染症なので、血液を介して身体中を駆け巡り、悪さをします。その為、血液循環の根本である心臓に最も負担がかかると言われています。つまり、歯周病は単なる歯ぐきの病気で、血が出たり歯が抜けやすくなるだけでありません。身体全体の病気に深く関わりがあり、命の危険性もあると言われている、諸悪の根源となり得る、本当に恐ろしい病気なのです!
心臓病(心筋梗塞など死に直結する病)
呼吸器疾患(肺炎・喘息・咽頭炎)
早産を引き起こし、乳幼児の死亡率が高まる(子宮を異常収縮させる)
糖尿病(インスリンの効果を低下)
もちろんお口への悪影響もあります。しかし、歯周病菌が全身を駆け巡り、死に直結する病魔を引き起こす原因であることが本当の脅威なのです!!
歯周病は、「沈黙の病」とも呼ばれ、痛みなどの自覚症状があまりありません。それが災いして、予防が怠りがちになったり、治療が続かず、気づかぬうちに症状を悪化させてしまいます。歯周病菌はとても狡猾なバイキンなのです。
しかし、1つだけ、歯周病菌にもいいところがあります。それは、1度無くしてしまえば、あとは比較的簡単な日常の心がけで予防できること。下記の事項に当てはまる人は必ず、また一度も確認をされたことがない方も、今このときに、歯周病の検査を実施しましょう。
朝起きたとき、お口の中が粘(ネバ)つく
歯は磨いているのに口臭が気になる
歯磨きの時に歯ぐきから出血した経験がある
疲れた時に歯が浮いた感じがする
お口の中が常にネバネバしていると感じる
歯ぐきの色が赤黒くなって気になる
物を噛んだ時に痛みを感じる
歯がぐらぐら揺らぐ
あまり歯を丁寧に磨いていない
家族に歯周病と言われた人がいる
お薬を沢山飲まれている
妊娠の可能性のある方がご家族にいる
キチンと歯磨きができずにプラークが増えると、歯周病の原因になりますが、その他にもいろいろな原因があります。
歯ぎしりやくいしばり | 歯ぎしりやくいしばりをすると、歯を支えている骨(アゴの骨)に影響を与え、歯周病の進行を早めます。 |
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甘い食べ物 | 砂糖(ショ糖、シュクロース)が細菌の一番の栄養源になって、プラークの成熟を助け、歯周病の原因となっています。 |
煙草 | 喫煙は歯周病菌の増殖を助長し、歯肉の抵抗性を減弱させます。その為、歯周病の進行を早め、歯の寿命を短くします。 |
歯周病は「細菌感染症」であるとご説明しました。歯周病はもともとお口にいない菌なのです。お分かりでしょうか? そう、歯周病菌が発生する原因は人から移されることなのです。箸の使いまわし、回し飲み、回し食い、キス、くしゃみ、これらが感染ルートとなるのです。普段、生活を共にする誰か1人が感染してしまうと、ご家族全員が危険にさらされます。非常にリスクが高まってしまうのです。
80歳なんて、まだまだ・・・なんてお思いの方は要注意!80歳で20本の健康な歯を残すためには、少なくとも3ヶ月に1度は、定期的に検診と歯周治療を受けましょう。歯周治療が終わっても、そこで気をゆるめてしまうと、歯周病が再発する危険があるのです。以下に年齢別平均残存歯の表をいれておりますのでご参照ください。
15~19歳 | → | 28.0本 |
20~24歳 | → | 28.6本 |
25~29歳 | → | 28.5本 |
30~34歳 | → | 28.3本 |
35~39歳 | → | 27.6本 |
40~44歳 | → | 26.9本 |
45~49歳 | → | 25.2本 |
50~54歳 | → | 24.1本 |
55~59歳 | → | 22.2本 |
60~64歳 | → | 20.4本 |
65~69歳 | → | 16.8本 |
70~74歳 | → | 12.7本 |
75~79歳 | → | 9.0本 |
80~84歳 | → | 7.4本 |
85歳~ | → | 4.0本 |